愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
勤務中の様子はいつも通りだったので気づけなかったが、本当は失恋の痛みをこらえていたようで成美は同情した。
しかし梢に落ち込んでいる雰囲気はなく、やる気に満ちた目で成美を見る。
「私も成美みたいにハイスぺ男子を手に入れたい。どうやったら出会えるのか教えて」
「えーと……」
そんな方法は知らないが、参考になればと思い、女子高に通っていた時の話をする。
当時大学生だった朝陽の友人を、痴漢冤罪から救った件だ。
成美の方は朝陽を知らずに終わったが、彼にとってはそれがファーストコンタクトで、密かに心惹かれていたと打ち明けてくれた。
彼の友人を助けていなければ、きっとお見合いも結婚もなかっただろう。
真剣に話を聞いた梢が、大きく頷いて手を握りしめた。
「無欲の勝利ってやつか」
「えっ?」
「私なら興味のない男は無視するけど、成美は助けたんだよね。そこが私との違い。ようやくわかった。私は今から変わる。相手がおじさんでもおじいさんでも、その子供や孫がハイスぺ男子かもしれないから今後はスルーしない。人助けしまくって、成美みたいにいつか無欲の勝利を手に入れてみせる!」
しかし梢に落ち込んでいる雰囲気はなく、やる気に満ちた目で成美を見る。
「私も成美みたいにハイスぺ男子を手に入れたい。どうやったら出会えるのか教えて」
「えーと……」
そんな方法は知らないが、参考になればと思い、女子高に通っていた時の話をする。
当時大学生だった朝陽の友人を、痴漢冤罪から救った件だ。
成美の方は朝陽を知らずに終わったが、彼にとってはそれがファーストコンタクトで、密かに心惹かれていたと打ち明けてくれた。
彼の友人を助けていなければ、きっとお見合いも結婚もなかっただろう。
真剣に話を聞いた梢が、大きく頷いて手を握りしめた。
「無欲の勝利ってやつか」
「えっ?」
「私なら興味のない男は無視するけど、成美は助けたんだよね。そこが私との違い。ようやくわかった。私は今から変わる。相手がおじさんでもおじいさんでも、その子供や孫がハイスぺ男子かもしれないから今後はスルーしない。人助けしまくって、成美みたいにいつか無欲の勝利を手に入れてみせる!」