愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
恋は結婚の後に
朝陽のプロポーズを受けてからひと月半ほどが経つ。

ここはハワイのオアフ島にある五つ星ホテルで、ワイキキビーチに面して建っている。

白い砂浜と透き通ったハワイアンブルーの海、遠くに入道雲を浮かべた真っ青な空は得も言われぬほどに美しい。

十二階の白亜のチャペルは壁の一面がガラス張りで、南国らしい青と白のコントラストに目を奪われた。

レースがふんだんにあしらわれたAラインのウエディングドレスを着た成美は、結い上げた髪に花冠のついたベールをかぶり、赤じゅうたんの上を一歩一歩、ゆっくりと進む。

牧師のいる祭壇前で待っているのは朝陽で、ライトグレーのモーニング姿が凛々しくも麗しい。

(ついに結婚するんだ)

厳密に言うと、婚姻届けを提出したのは半月ほど前なので、とっくに人妻である。

しかしそれはパスポートの取得のためであり、新居は朝陽が整えてくれたがまだ一緒に暮らしていない。

そのため日本を発つ一週間ほど前から、いよいよ結婚だという緊張感を味わっていた。

聖歌隊の美しいハーモニーを聞きながら、朝陽が差し出す手に手を重ねた。

隣に並んで立ち微笑みを交わしたが、成美の方は少々ぎこちない。

(憧れのチャペルウエディングは嬉しい。でも残念な思いも……)

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