モノクロに君が咲く
◇
病室に入ると、鈴はパッと弾かれるように顔を上げた。俺の顔を見た瞬間、まるで蕾が花開くように表情を綻ばせて「先輩!」と嬉しそうに笑った。
そんな姿に胸の端っこをくすぐられながら、俺は鈴のベッドへ歩み寄った。
「また着替えたの?」
「だ、だって先輩が来るって言うから……」
「いいって言ってるのに」
鈴がラフな私服を着ているのを見て、俺はしゅんと眉尻を下げる。
どうもパジャマ姿を見られるのが嫌らしい。入院しているのだから当たり前なのでは、と思うのに、俺が来るときは大抵ちゃんとした格好をしている。
「好きな人の前ではきれいでいたいっていう乙女心なんですよ」
「俺はどんな鈴でも好きだよ」
「っ、それは嬉しいですけど……そういうことじゃなくて」
うううぅ、と鈴が顔を赤らめながら呻く。