モノクロに君が咲く
お菓子作りの腕前は一級品で、実家は洋菓子屋を営んでいるらしい。
かえちんはとにかくスポーツ万能で、バレー部のエースだったりする。
そんな彼女たちに私の病気のことを打ち明けたのは、去年の秋頃だった。
「なんか思い出すよねぇ。ふたりの前で倒れて救急車で運ばれたときのこと」
「笑いごとじゃないよ! あのときは、ほんっとにびっくりしたんだから!」
「んねー。まあでも、あれがあったから、あたしたちは鈴の病気を知ることができたわけだし。今となってはよかったなって思うよ。その場に居合わせてて」
かえちんの飾らない素直な言葉に、私は思わずくすりと笑った。
見た目も中身もボーイッシュな性格のかえちんは、一見冷たい印象を覚えられがちだけれど、意外と優しさの塊だったりする。
そんなツンデレなところが私と円香のつぼに入り、ここまで仲良くなった。
なんというか、バランスがよいのだ。私たちは。
「……私も、ふたりに話せてよかったって思ってるよ」
発病してから高校に入学するまで、私は病気のことをひた隠しにし続けてきた。
もちろん学校の先生は知っていたし、相応の配慮はしてもらっていたけれど、中学の頃はそれを知られるのがひどく怖かった記憶がある。
多感な時期だから、というのもあるだろう。
なんとなく、自分が異質な存在として扱われるのが我慢ならなかった。
知られてしまったら、友だちがいなくなるんじゃないか。腫れ物のように扱われるんじゃないか。そんな恐怖が、いつも心のどこかを巣食っていた。
でも、実際にこうして打ち明けてしまえば、なんとも気楽なものだった。