夢幻の飛鳥2~うつし世の結びつき~
対面
稚沙は意識が曖昧な中、誰かに名前を呼ばれている気がした。それはとても聞き覚えのある声で、自分の大好きな人だった。
「おい、稚沙、起きろよ!」
「う、うーん。本当に誰よ......って、その声は椋毘登?」
稚沙はまだ意識がはっきりとしないまま、ゆっくりと目を開ける。すると彼女の目の前には椋毘登の顔がのぞかせており、彼は横たわった状態の彼女に寄り添っていた。
(ここは一体どこだろ。それに私何でこんな状態になってるの?)
稚沙はとりあえず椋毘登の腕を借りながら、体を半分起こし、周りの景色を見渡してみる。するとそこは暗くはないものの、草地と白色の空でおおわれた何とも不思議な空間の場所だった。
「椋毘登、ここは一体?」
「どうなら、俺の夢の中に出てくる場所のようだ」
「夢って、あの例の夢のこと?」
「あぁ、そうだよ」
(何で私が椋毘登の夢の中にいるの。それともこれは私が勝手に見ている私自身の夢の中?)
「とりあえず、あの人がどこかにいると思うんだけど」
椋毘登はそういうなり辺りを色々と見渡してみる。彼曰く、相手の青年はいつも突然に目の前に現れるらしい。
そしていると「やぁ、君たちやっと来れたみたいだね」
急に人の声がしてハッとした2人は、慌てて声の主に目を向ける。
するとそこには1人の青年が立っており、年齢も彼らよりも数歳年上ぐらいに見える。
そして美豆良の髪に、服装もこの時代の物よりも少し古い感じだ。だがわりと上等な身なりに見えるので、それだけで彼の身分の高さが伺える。
「あなたは雄朝津間皇子、これは一体どういうことですか?」
「お、雄朝津間皇子??」
稚沙は誰のことだか分からず、おもわず頭を傾ける。
そして椋毘登に顔を向けて『ねぇ、誰なの?』と目だけで訴えた。皇子というのなら、彼がとりあえず皇族の人ということだけは察せられる。
「えぇっと、この人は、俺たちよりももっと昔に生きていた大和の皇子なんだとさ」
「え〜昔の大和の皇子さま」
「うん、そうだよ。そんでもって君の横にいる、椋毘登の前世でもあるんだけどね」
「はぁ?何だって!皇子、前はそんなことはいってなかったじゃないですか?!」
「あぁ、ごめん、ごめん。前回はそこまで話す時間が無かったんだ」
そういって雄朝津間皇子は「あはは」といってちょっと笑ってみせる。一応相手は大和の皇子のようだが、豪族の自分たちに対しても何とも気さくである。
「おい、稚沙、起きろよ!」
「う、うーん。本当に誰よ......って、その声は椋毘登?」
稚沙はまだ意識がはっきりとしないまま、ゆっくりと目を開ける。すると彼女の目の前には椋毘登の顔がのぞかせており、彼は横たわった状態の彼女に寄り添っていた。
(ここは一体どこだろ。それに私何でこんな状態になってるの?)
稚沙はとりあえず椋毘登の腕を借りながら、体を半分起こし、周りの景色を見渡してみる。するとそこは暗くはないものの、草地と白色の空でおおわれた何とも不思議な空間の場所だった。
「椋毘登、ここは一体?」
「どうなら、俺の夢の中に出てくる場所のようだ」
「夢って、あの例の夢のこと?」
「あぁ、そうだよ」
(何で私が椋毘登の夢の中にいるの。それともこれは私が勝手に見ている私自身の夢の中?)
「とりあえず、あの人がどこかにいると思うんだけど」
椋毘登はそういうなり辺りを色々と見渡してみる。彼曰く、相手の青年はいつも突然に目の前に現れるらしい。
そしていると「やぁ、君たちやっと来れたみたいだね」
急に人の声がしてハッとした2人は、慌てて声の主に目を向ける。
するとそこには1人の青年が立っており、年齢も彼らよりも数歳年上ぐらいに見える。
そして美豆良の髪に、服装もこの時代の物よりも少し古い感じだ。だがわりと上等な身なりに見えるので、それだけで彼の身分の高さが伺える。
「あなたは雄朝津間皇子、これは一体どういうことですか?」
「お、雄朝津間皇子??」
稚沙は誰のことだか分からず、おもわず頭を傾ける。
そして椋毘登に顔を向けて『ねぇ、誰なの?』と目だけで訴えた。皇子というのなら、彼がとりあえず皇族の人ということだけは察せられる。
「えぇっと、この人は、俺たちよりももっと昔に生きていた大和の皇子なんだとさ」
「え〜昔の大和の皇子さま」
「うん、そうだよ。そんでもって君の横にいる、椋毘登の前世でもあるんだけどね」
「はぁ?何だって!皇子、前はそんなことはいってなかったじゃないですか?!」
「あぁ、ごめん、ごめん。前回はそこまで話す時間が無かったんだ」
そういって雄朝津間皇子は「あはは」といってちょっと笑ってみせる。一応相手は大和の皇子のようだが、豪族の自分たちに対しても何とも気さくである。