オレンジ服のヒーローは全力で彼女を守りたい
「ちょっと先に進むと大水槽があるね。
ちょうどダイバーの餌付けが見られる時間だな」
「う、うん」
パンフレットに目を落としながら翔太くんが言い、その少し後ろをついて歩いた。
通路を進むと四角い水槽が両側にいくつもあり、それぞれが光を放つ。
なぜか心臓がバクバクと不穏な音を鳴らし始め、呼吸が少し苦しい。
「あ、そこの水槽、映画に出てきた魚…
あおいちゃん?どうした?」
「ちょっと動悸がして…」
胸を押さえていると、翔太くんが私の目線までかがんだ。
「大丈夫。ゆっくり深呼吸して」
言われるがまま、呼吸に意識を集中させてゆっくり深呼吸を繰り返す。
「…よし、じゃあ行くよ」
「え、…ひゃっ!」
急に身体が浮いて変な声が出た。
なぜか翔太くんに横抱きで抱えられ、来た道を戻っている。
「え?え?翔太くん?」
何が起きているのかわからず、恥ずかしくて足をバタバタさせる。
「暴れると落ちるよ」
「だって…」
すれ違う人がじろじろ見ているし、微かながら黄色い声も聞こえる。
入口前の明るい場所に出ると、翔太くんは私をベンチにおろし、隣に座って私をじっと覗き込んだ。
「まだ動悸がする?」
「うん、ちょっと…でもだいぶおさまってきたかも。なんだろ」
「ごめん、気づかなかった。
多分昨日のでちょっと閉所暗所が怖いんだと思う」
「あ…」
そうか。確かに暗闇に入るときに怖い感覚があった。
ちょうどダイバーの餌付けが見られる時間だな」
「う、うん」
パンフレットに目を落としながら翔太くんが言い、その少し後ろをついて歩いた。
通路を進むと四角い水槽が両側にいくつもあり、それぞれが光を放つ。
なぜか心臓がバクバクと不穏な音を鳴らし始め、呼吸が少し苦しい。
「あ、そこの水槽、映画に出てきた魚…
あおいちゃん?どうした?」
「ちょっと動悸がして…」
胸を押さえていると、翔太くんが私の目線までかがんだ。
「大丈夫。ゆっくり深呼吸して」
言われるがまま、呼吸に意識を集中させてゆっくり深呼吸を繰り返す。
「…よし、じゃあ行くよ」
「え、…ひゃっ!」
急に身体が浮いて変な声が出た。
なぜか翔太くんに横抱きで抱えられ、来た道を戻っている。
「え?え?翔太くん?」
何が起きているのかわからず、恥ずかしくて足をバタバタさせる。
「暴れると落ちるよ」
「だって…」
すれ違う人がじろじろ見ているし、微かながら黄色い声も聞こえる。
入口前の明るい場所に出ると、翔太くんは私をベンチにおろし、隣に座って私をじっと覗き込んだ。
「まだ動悸がする?」
「うん、ちょっと…でもだいぶおさまってきたかも。なんだろ」
「ごめん、気づかなかった。
多分昨日のでちょっと閉所暗所が怖いんだと思う」
「あ…」
そうか。確かに暗闇に入るときに怖い感覚があった。