オレンジ服のヒーローは全力で彼女を守りたい
帰り道も翔太くんは疲れた様子を見せずたくさん話をしてくれて、マンションまではあっという間に着いてしまった。


「付き合ってくれてありがとう。
急に誘ってごめん」

「ううん、こちらこそ。
ゆっくり休んでね」

「うん」


せっかくちょっと仲良くなれたのに、またただの挨拶するだけの関係に戻っちゃうのかな。

部屋に入るのが寂しくて、つい俯いた。


「…あのさ」


控え目な声に顔を上げると、窺うような瞳がこちらを見ていた。


「…また誘ってもいいかな」

「う、うんっ」


思わず声が裏返ってしまったけど、彼は嬉しそうにはにかんでくれた。

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