オレンジ服のヒーローは全力で彼女を守りたい
「翔太くん、スイーツ以外に好きなものはある?」

「基本何でも食べるよ。
でも自炊しないから普段はコンビニ食ばっか」

「そっか。身体が資本なのに……あ」


頭の中にある考えがパッと閃いた。

だけど…差し出がましいだろうか。


「ん?どうした?」


翔太くんが首を傾げ、黒い瞳に私を映す。

明らかにこちらの答えを待っているため、彼の表情を窺いながら恐る恐る尋ねた。


「…あの、お弁当作ったら迷惑かな…?」


彼は少しきょとんとして、それから視線を泳がせ口元を手の甲で覆った。

ああ、やっぱり言わなきゃよかった。

彼が困惑しているのがわかってすぐに後悔した。


「や、やっぱり迷惑だよねっごめ――」

「いや、そうじゃなくて」


翔太くんが私の言葉を遮り、小さく咳払いをしてから、こちらに顔を向けて照れくさそうに笑う。


「嬉しい。ありがとう」


波の音がやけにやさしく響いて、やっぱり私はこの人のことが好きだと、心がそっと訴えかけてきた。


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