オレンジ服のヒーローは全力で彼女を守りたい
天井からガタンと音が聞こえ、肩がビクッと揺れた。

ガタガタと鳴る音がやむと、ふわっと空気が流れ込んできたのがわかった。


「今降ります。
危ないので隅に避けていていください」


この声……

パッと電気がついて、一瞬目が眩んだ。

垂らしたロープを使って男性が降りてくる。

ヘルメットに全身オレンジの服。

左腕には『特別救助隊』のワッペン。


「体調は――」


こちらを見た彼が目を見開いて、数瞬動きを止めた。

多分、私も似たような顔をしているだろう。

すぐに平静を取り戻した彼は、動けない私の前にしゃがんで穏やかに笑みを浮かべた。


「…怖かったですよね。
外に救急隊もいるから、もう大丈夫」


じわりと涙が溢れ、そのオレンジの服をぎゅっと掴んで泣いた。



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