イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す

　
　院長が入ってきた。
　珍しい。

　「皆さん、忙しそうだね。今日は当病院の開院記念日だから、皆さんに飲み物とちょっとした焼き菓子を後ほど看護師長経由で配ります。これからもこの病院でよろしく頼みます」

　かっこいいー。私はこの院長が大好き。ナイスミドルっていうのかしら？かっこいいのよね。

　父親がいなかったせいか、ちょっと年上が気付くと好きみたい。ファザコンかもね。

　五十一歳らしいけど、息子の方よりずっとマシ。チャラい女遊びに忙しい息子は二十六歳。

　そうすると、そこへ外来から病棟へ戻ってきた息子が顔を見せた。

　「あれ、父さん」

　「ああ、京介。しっかりやれよ。他の問題起こすなよ」

　「……失礼だな。俺がイケメンだからモテるんだ。人気なのはしょうがないことなんだよ」

　「全くお前は。いい加減にしろ」

　そう言うと、院長は看護師長といなくなってしまった。残念。