イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す

 少し、時期が関東よりは遅いけどね。
 でもそのお陰で私は見に来られた。

 ベンチに座ってゆっくり花を見つめていると、光琉先生が歩き回っていたのに戻ってきた。
 
 「美雪は寝たぞ」
 
 そう言って、抱っこしている彼女が彼の胸に顔をつけてすうすう寝息をたてているのを見た。
 
 「ありがとう。空気もいいし、あなたの抱っこで暖かくて眠くなったんでしょ」

 光琉先生が抱っこひもをはずそうとしたので、私はベビーカーの準備をした。
 美雪はベビーカーに移されても起きることなく眠っている。
 毛布をかけてやった。光琉先生は抱っこひもを片付け、私の横に座った。
 
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