恋愛は苦手です。でも恋の神様やってます。
それ以降、世那は私に執着することなく色んな女子と絡んでる。

勿論友達は続けている。
ただ、過去に囚われないで生きていけるようになった。

それだけのこと。

無意識に私を好きになっていた世那。
これからは自由に、私に縛られずに生きていってほしい。  




『これもひとつの愛の形か。』

蒼が話しかけてきた。
最近は家だけでなく、学校やカフェなどにもついてくるようになってしまった。
色々見張られていて、面倒だ。


『そう、私の愛の形。』

だって大好きな人が、自分の気持ちに関係なく心が縛られていただけで私を見ているんだよ?
そんなことを強制したくないよ。




『運命なら、またきっとつながる。』




私はそれを知っている。
今はまだ視えない私と世那の赤い糸。

切れない糸ではなかった。
それは絆が強くないからではない。
私が世那の自由を望んだからだ。




『本当に、人間とは面白い生き物だ。』

『何よ、またそれ?』

『一周まわってまた元通りだったらどうするんだ?』

『そしたら、それは運命だよ。離れられない強い絆。』

私は笑いながら蒼に言った。


『ほんとに不器用だな……恋神様は。』

『でも、ほんとの恋は理解できたかもよ?』

『…………そうかもな。』






ぴろん。

今夜8時。
お仕事が入った。

『さあ、蒼。帰って準備しようか。』

『そうだな。』





世那のいなくなった帰り道を、私と蒼は前を向いて歩いていった。












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