危険な彼に焦がれて


潤さんという人は抜けるみたいなので、久我さんと訓練場を出た。


「次は食堂を案内するね」


「はい、分かりました」


「珠那ちゃん、敬語は使わなくていいよ。最初に会った時はタメ口だったでしょ?」


敬語は使わなくていいらしい。


まぁ、確かに普通にタメ口で話してたしね。


「分かった。そうさせてもらうから」

 
「うん、その方がいいね。欲を言えば、優雅って名前で呼んでくれたら嬉しいな」


にこりと笑いかけられた。


ちゃっかり注文が増えてるし。


「じゃあ、優雅さんって呼べばいいの?」


「さん付けなんだ。別に呼び捨てでもいいのに」


「それはさすがに無理」


呼び捨てとか違和感が凄い。


「はっきり言うね、珠那ちゃんは」

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