くるくるキャンディー
ショーが終わり、近くの知り合いのレストランを貸し切りにして打ち上げをした。アリスは高揚していた。作り込んでおいたSNSも配信して、この短い時間でも反響が次から次へと入ってきた。
打ち上げの時にわかったことだけど、明日香ちゃんとマサル君は付き合い始めていた。めちゃめちゃラブラブで皆にあきれられていた。奈緒美も弥生も一郎君も他のみんなも飲んで食べて笑って、このパーティをとても楽しんでいた。
そして、最後にアリスは皆にお礼を言った。
「皆さん、本当にありがとう。ここにいる皆さんだれか一人が欠けてもこのショーは出来なかったと思います。この成功はみんなのおかけです。何度お礼を言っても足りません。本当に、本当にありがとうございました。また、皆さんとはお仕事したいと思っています。その時はよろしくお願いいたします。」
アリスはみんなに深々と頭を下げた。皆はそれぞれにアリスを称え、そして握手をして帰って行った。
最後に会場に残ったのかLOUISだった。
「LOUISありがとう。本当にあなたのおかげ。あなたがいなければこの雰囲気がだせなかったしショーが成功しなかった。あなたみたいなトップモデルが私のショーに出ていただいて、本当に感謝しています。もしできればまた、モデルお願いします。」
アリスがLOUISの手を取り握手しようとしたその時、LOUISがアリスの顔を覗き込んだ。
「アリス・・・まだわからないの? 僕だよ。何で気が付かないんだよ。瑠唯だよ。」
「・・・瑠唯・・・えっ! 私をいじめていた川田 瑠唯?・・・ だって・・・」
「まったくさー、全然気が付かないんだから・・・」
「川田君はフランスに行って・・・」
「そうだよ。ずっとフランスにいた。だからこんな風貌になったみたいだ。」
「昔は、少しポッチャリしていて、黒髪で・・・えっ? 本当に川田君なの?」
「ああ、俺だよ。川田 瑠唯だよ。」
瑠唯・・・そんな名前だった・・・だから・・・LOUIS・・・
「いつ・・・いつ日本に帰ってきたの? 」
「昨年さ。17年ぶりに日本に帰ってきた。帰ってきてからアリスを探したよ。」
「えっ。じゃあ初めから私だってわかっていたの? 」
「わかっていたよ。いつもつるんでいた友達が居ただろ。あいつらからアリスがデザイナーになったって聞いたから、ネットでアリスを検索したら人気があると知って嬉しかった。夢をかなえたなんて凄いよ。で必死で探したんだ。おまえ家も引っ越していたしさ、どう連絡とろうかと思っていたんだ。そしたら丁度アリサからモデルの依頼が来て、偶然って恐ろしいなって。ホント嬉しかった。だから他の仕事蹴ってこの仕事を受けた。」
「そうなんだ・・・でも、でも・・・なんでモデルになったの?」
「なー、俺がモデルなんて笑っちゃうよな。フランスにいきなり行って、なじめなくて言葉も出来ないし、友達もなかなか出来ないし、毎日辛かった。そんな時思い出していたのがアリスだった。アリスもアメリカから帰って来たばかりで僕にいじめられて辛かったろうなって初めて思った。ずっずっと謝りたかった。中学でバスケやって背がぐいぐい伸びた。そしたら友達も出来て、学校生活も楽しくなった。高校の時足を痛めてバスケが出来なくなって落ち込んだ。そんな時、モデルをやってみないかって誘われた。決して望んでやったわけではないけど、その時は現実逃避に丁度良かったんだ。でもだんだんモデルの仕事が楽しくなった。デザイナーやその周りの人たちが必死なのがわかったから。アリスも見てて同じだった。必死さが伝わってカッコよかったよ。」
「でも、ひどいよ~。なんで教えてくれなかったの? 」
「教えたら、僕を使わなかったんじゃない? いじめっ子の僕を・・・。」
「・・・そうかも・・・。ずっと・・・ずっと聞きたかったの・・・なんで、なんで子供の時あんなにいじめたの? 私のこと・・・」
「わからない?好きだったんだよ、アリスのこと。可愛かった。なんか言うと、むきになって僕を叩いたり、泣き出したり・・・可愛かった。だから毎日そんなアリスを見たくてさ、からかっちゃったんだ。ゴメンネ。ホントゴメン。」
「そんな・・・」