クールで一途な後輩くんと同居してみた


 へへ……なんの話しよっかなぁ。


 あ、そうだ、修学旅行の定番会話といえば!



「ねね、スイくんって、好きな人いるの?」

「いますね」



 即答!?



「どんな子どんな子っ?」

「明るくて笑顔がめちゃくちゃ可愛いです」

「わー……っ! いいねっ、素敵だねっ」

「きっと、我慢して笑顔のときもあるんだろうなと思ったら……俺が守ってあげたくなったんです」

「ひゃあ~甘酸っぱい……!」



 こっちの顔が熱くなっちゃうよっ!


 この時点では目が慣れてきてるからわかるけど、スイくんは涼しい顔で言い放っていた。


 よっぽど自信を持って言えるんだなぁ、すごい。



「……そっちはどうなんですか」

「へ?」

「いるんですか……好きな人」



 スイくんがこっちに寝返りをうった。


 私は元々スイくんの方を向いて話しかけていたので、見つめ合う状態になる。


 真剣な表情のスイくん。


 こんな美形を間近で観賞できるなんて、金銭が発生しないことに感謝しないといけないね。



「……聞いてます?」

「え、わ、ごめんっ」



 見とれてる場合じゃなかった。


 えっとね、私は、



「私は……いないんだよねー……」



 ちょっと悩みでもある。


 いたことすらないんだよね。


 私の中の好きの種類って、どうしても一つでしか感じられなくて。


 恋の好き、とか友情の好き、とかじゃなくて……『好き』、ただそれだけというか。


 恋、してみたいんだけどなぁ。


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