見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
残りのフロリダ滞在期間も順調にジムの視察ができ、全て無事に終えることができた。

ニューヨークで見させてもらったジムも含め全部レポートにまとめた。
つっても一つの視察が終わる都度、親父には報告してたけど。

ジムについてだけじゃなく、そこを取り巻く環境とか広範囲に渡って調べてきたから、それも併せて帰ったらもう一度最初から説明して、北海道の新施設やこれからの経営に活かせるといいな。




「もう日本に帰るんだね…」

「そうだな、なんか意外とあっという間だったよな」

「そうだね…何だか寂しくなってきちゃった…えへへ」
部屋の窓の外を見ながら、しんみりと乃愛が言う。

「ん、気持ちわかる。何だかんだ楽しかったよな」

「うん、大変なこともあったけど…楽しかったね」


少し寂しそうに笑う乃愛に、俺はかねてから思っていた事を言うことにした。


「なぁ、乃愛…」

「ん、なぁに?」


「日本に帰ったらさ……子供…つくらないか?」

「伊織…」

「アメリカ滞在中はさ、妊娠したら乃愛は体調とか通院とか色々と大変だと思って考えてなかったけど…」

って言ったら乃愛が抱きついてきた。

「…乃愛?」

「嬉しい!嬉しいよ…伊織…」

え?…泣いてる?

「どうした?」

「伊織が…子供のこと…私のことも考えてくれてたのが嬉しくて」

と見上げた顔が、本当にすごく嬉しそうで…そのまま抱き締めた。

「そうだよな、全然話してなかったもんな…心配させてたならごめん」

「ううん、伊織が考えててくれたことが嬉しいの」

「そっか、ありがと。まぁ子供は授かり物だからな、つくるっつってもすぐにできるとは思ってないけど…でも俺は乃愛との子供がほしいと思ってるよ」

「…私も……私も伊織の子供がほしい!」

「ふ、よかった。じゃあ…早速今日から子づくり、始めるか?」

「…え…?」

って、それだけで赤くなるんだもんな。
…可愛い。

「それは冗談」

「な、なんだ…冗談か」

「ん?ホントでもよかったの?」

「…ん……伊織がそう思うんだったら、って」

ってさ……もぉ……
「乃愛、可愛いすぎっ!」

マジで今日から子づくりに励んじゃうぞっ?

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