見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
「…乃愛を見つけてくれたのが九十九さんでよかった…」
「え?」
「私が悪いんだけど……でも乃愛が幸せになってくれて…すごく嬉しい…」
そう柔らかく微笑む逢坂さん。
「葉月……あのね私、伊織に出逢って初めて本当の私が出せたんだ」
「本当の、って…?」
「私ね…前の結婚では遠慮して出せなかったところがあって…知らない内にずっと無理してたみたい」
「乃愛、無理してたの…?幸せそうに見えたけど…」
「…当時はわからなかったよ、それが当たり前だったから。…でもね、伊織に出逢って愛されたら、無理してた自分に気付いたの。…宏哉もそう。私達はお互いに本当の自分でぶつかれなかった。だから……たぶん宏哉と私は…葉月との事がなくても…いつかダメになってたと思う」
「乃愛…」
「だから…変な言い方だけど、今の幸せのきっかけをくれた葉月には感謝してるの」
「…でも私はたくさんの人を傷付けたから…」
「うん、そうだね。他の人はどう思っているかわからない。…でも私はもう大丈夫だから」
「乃愛……」
「だから…結婚式には呼んでね」
「ありがとう……乃愛」
「葉月が昔の葉月に戻ってよかった。…ううん、もっと素敵になってるよ」
「ありがとう…」
「乃愛さん、その様に言って頂いてありがとうございます。葉月さんはもうバカな事はしないと言ってますし、僕もそう信じています。他の迷惑をかけた方々の事も忘れずに、でも僕達も幸せになりたいと思います」
「矢代さん、葉月のことをそこまで思って下さってありがとうございます。親友としてすごく嬉しいです。葉月のこと、よろしくお願いしますね」
「はい!」
すると、逢坂さんが「あっ、そうだ」と後ろを向いてごそごそすると…
「遅くなっちゃったけど、ご出産のお祝い。…これは受け取ってね」
と、またもや封筒を差し出された。
しかし今回のそれは〝御出産お祝〞と書かれたかわいらしいご祝儀袋。
「ありがとう!ありがたく頂くね。あ、伊織、受け取ってもらえるかな、私、手が離せなくて」
そうだな、礼翔を抱っこしてるもんな。
「ん。逢坂さん、ありがたく頂くよ。今寝ちゃってるけど、これがうちの息子のアヤト」
「もうほんとにパパが大好きなの」
「ふふ、寝顔かわいいね。アヤトくんはこんなに素敵なパパとママで幸せだねぇ」
礼翔を見る逢坂さんも幸せそうな表情をしてる。
…彼女ならこれからは間違いを起こさずに幸せになれるだろう。
「…じゃあそろそろ行くね」
「葉月、また連絡してね。私もするから」
「うん、ありがとう。それじゃあまたね」
二人は最後に一礼して帰っていった。
「あっ乃愛、重いだろ、抱っこ変わるよ」
「ふふ、ありがとう」
「でも…よかったな、逢坂さん。理解のある人に出逢えて」
「うん、本当によかった。矢代さん、しっかりしたいい人そうだもんね」
「あ、乃愛「私は伊織だけだからね?」
「……ふ、何でわかった?」
「伊織が大好きだからわかるの。ふふっ」
「乃愛……やべぇ…可愛い…キスしたい」
「ダダっダメだよ」
「なんで、いーじゃん、キスしてぇよ」
あーマジ可愛いんだけど…
「ダメだってば。アメリカと違ってここじゃ伊織は副社長で北の森パークの責任者なんだから、こんな人目につくとこでなんてダメだからね?……あっ、ホラ、諒さん達が来たよ!行こ!」
…む。
「じゃあさ…乃愛、今夜はどっぷり愛してやるから覚悟しろよ?」
「っ!」
って赤くなるのが可愛くて萌えるんだよなぁ、ははは。