爽やか系イケメンの本気。



「俺が途中まで送ればよかった……。真紘が助けてくれたって聞いて安心したよ」

「あ、」

「ありがとう真紘」


南朋は真紘くんに目線を移すと、そう感謝した。
……やばい人達だったのに、真紘くんは助けてくれたんだ。
真紘くんがいなかったら私はどうなっていただろう、とも考えると少し恐怖を感じる。


「いえ、当たり前のことしただけなんで。……ちなみにあの三年、美桜の腕掴んでましたよ」

「……ほう?それは"良い"情報を聞いた」

「…やっぱり、南朋先輩も結構性格悪そうっすね」

「まあ、それなりに?」


私の腕を掴んでいた、と真紘くんが言うと、南朋は私でも聞いた事のないような低い声を出していた。目も、なんだか怖い。
……嫌な予感がする。なんだか、問題児さんが可哀想になってきた。

すると南朋が私に視線を移して、笑いかけた。


「…おかえり、美桜」


南朋、お昼に私が言ったこと少し気にしてくれてるのかな。
満面の笑みでそう言った南朋に、嬉しい気持ちになる。



< 100 / 225 >

この作品をシェア

pagetop