爽やか系イケメンの本気。
そう思った時、
「美桜、おはよう」
そんな落ち着いた声が降ってきて少し気持ちが上がる。
振り向くと、笑顔で真紘くんが立っていて。
「おはよう真紘くん」
そう返事をする。
すると、横から手が伸びてきて私の腕に絡みついた。
「……美桜ちゃんと話してるんだけど」
「あ、そうだったの?ごめんね気づかなくて」
「さ、桜?」
桜は私の腕を抱きながら真紘くんを睨んでいて。そんな桜に笑顔でいる真紘くん。
桜も、真紘くんも、お互いの扱いに慣れている。
……ズキ、と胸が傷んだ。
桜が真紘くんのことを好きだという確信はない。でも、二人がどんな関係なのかわからないということは事実で。
「……あ、あのさ……二人は……」
「?どうしたの美桜ちゃん」
思わず、口を開いてしまったけど、その先の言葉を聞くことが怖くて出てこない。
「……ううん。なんでもない」
周りに人がいるのを忘れて、眉を下げて苦笑いをした。