【一気読み改訂版】黒煙のレクイエム
第28話
あいつの家から飛び出したアタシは、岡山市北区野田屋町のマンスリーアパートで暮らしているつばきちゃんの部屋に転がり込んだ。

あいつは、アタシが家出した後引きこもりになった。

その上に、義兄夫婦《おにいふうふ》の一人娘(3歳)の問題が深刻になった。

子供の問題が深刻になったので、嫂《おねえ》は一人娘を嫂《おねえ》の実家がある伊保田《いほだ》(山口県周防大島)へ移すことにした。

ほとぼりが冷めるまでの間、一人娘は嫂《おねえ》の両親が面倒を見ることになった。

アタシは、あいつの家をうらみ通すと訣意《けつい》した。

義兄夫婦《おにいふうふ》がどんなにわびようとも、アタシは絶対に許さない!!

7月11日の昼過ぎのことであった。

アタシは、つばきちゃんと一緒に後楽園《こうらくえん》へ散歩に行った。

アタシとつばきちゃんは、園内にある茶店でお抹茶をのみながらのんびりと過ごしていた。

お抹茶を飲んで一息ついたあと、アタシはつばきちゃんに今の気持ちを伝えた。

アタシの話を聞いたつばきちゃんは、ひといきついてからアタシに言うた。

「こずえちゃんの気持ちはよくわかったわ…聞いた話によると、こずえちゃんの2度目のダンナは話が分からん男だからダメよ…仲直りしない方がいいわよ。」
「もちろんよ…義兄《おにい》のせいで海外留学の夢を壊された…そう言うてアタシに暴力をふるったのよ…何なのかしら一体もう!!親類のモンがえらそうな口調で『夫婦はガマンをするものだ…』といよるけど、アタシは理解できない!!」

つばきちゃんは、お抹茶をひとくちのんでからアタシに言うた。

「そうよね。こずえちゃんの親類はなにクソたわけたこといよんかしらねぇ…ホンマにズレているわよ…ガマンばかりを押さえ込んでいたら…楽しいと思えるものが苦痛になるわよ…日本《このくに》で結婚しても幸せになれないわよ…」
「そうね。」

アタシは、お抹茶をひとくち飲んだあと大きくため息をついた。

アタシは、つばきちゃんからの紹介で市内天神町の電車通りにあるガソリンスタンドでバイトをすることにした。

ガソリンスタンドのバイトだけでは足りない分は岡山駅の近くにあるローソンと掛け持ちでバイトして稼ぐことにした。

他にも、カンスタ(カンコースタジアム)でJリーグの試合がある日はスタンドでサンドイッチ売りをしたり、岡山市内のデリヘル店で働くなどしておカネを稼ぐことにした。

アタシは、一定の金額がたまったら再び遠い街へ行くことを訣意《けつい》した。

だから、あいつとは仲直りする気は全くない。

アタシは、7月13日から掛け持ちバイトを始めた。
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