クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ

14.許嫁と修学旅行Ⅲ



「もしもし、咲玖か?どうした?」

「あっ朱莉ちゃん?今どこにいるの?」

「小倉山の方に来ていてな。たまたまかるた部の住江と出くわして、成り行きで三人で巡っている」

「えっ、緋色くんも一緒なの?」

「ああ。翠夏の反応が面白くてネタ作りが捗るよ」


朱莉ちゃんは心底楽しそうに笑っていた。

そういえば百人一首ゆかりの地巡りをする!って翠夏ちゃん言ってたな。
ここからだと遠いから合流は難しいかも……。

それに緋色くんも一緒なら、あまり邪魔したくないな。


「そっか、ありがとう!」

「何かあったか?」

「ううん、何してるのかなって気になっただけ!
また後でね!」

「ああ、またホテルでな」


通話を終えて、ふうと息をつく。

桃ちゃんと大志くんなら、こっちにおいでって言ってくれそうだけど、あの二人もデートだろうしな……。
邪魔したくない。

それにホテルまでの集合時間を考えたら、あんまり時間ないかも。
一人でお土産物でも見ようかな。

あ、でもその前に下鴨神社に戻って御守りを買った。
まず永美里さんに安産、おじいさまに病気平癒、あとは蒼永に……結守を。

ご縁が末永く続くご利益のある、手折りの御守りで二つで一組になってる。
これを二人で持ちたいな。


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