クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ

15.許嫁の心配 side.A



修学旅行が終わり、夏休みに入ってから俺は咲玖と同棲してるマンションではなく、実家に帰っている。

理由は修学旅行中にじいちゃんが倒れたから。
原因はギックリ腰だったけど、母さんが妊娠中なこともあって色々心配だから、しばらく実家に帰ることにした。

ちなみにその後じいちゃんはものすごく元気で、少し腰を痛めつつ稽古を再開してる。
ただ検査入院の結果、悪性腫瘍が発見されたので手術することが決まった。
幸いにして手術をすれば完治するらしい。

本人はものすごく元気だって言い張ってたけど、流石に検査結果を見たら手術することに同意してくれた。


「蒼永、お前が跡を継ぐまで私は死ぬわけにはいかん。
ただ、お前も覚悟しておけ。これから面倒なことが起きるぞ」

「……手術のことは、家族と白凪家以外には黙っておくんじゃないの?」

「そのつもりが、病院が漏らしよった。全く、あの家は油断がならん」


あの家か……。
確かにそうかも。


「ところで、インターハイに向けてどうなんだ?」

「まあぼちぼち」

「しっかり勝つんだぞ」

「わかってる」


じいちゃんと話を終えて、部屋を出た。

正直夏休みも練習と大会で家を空けることが多い。
だから実家に帰って来たとて、あんまり変わらないんだけど――


「蒼永〜、おじいさまと話終わった?」


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