クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


* * *


「咲玖ちゃんよかったね〜〜」
「えへへへへへへ」
「顔の緩み方が昨日と大違いだな…」


最終日は班行動で金閣寺へ!
しかも、たまたま蒼永の班も行き先が同じだったの!

一緒にいられるわけじゃないけど、近くにいられるだけですごい幸せ……。


「白凪ちゃんニッコニコだな〜」
「蒼永と一緒だからかなぁ」
「九竜、一回帰ってまた深夜バスで戻って来たってマジ?」
「すげえよな……。

つーか藤田、どうした?」

「……。」

「え、藤田お前…まさか……」
「白凪ちゃんのこと…」

「違えよ!ただ、よかったなって…思っただけだよ」

「「……」」

「オイっ!!無言で肩ポンすんな!!」


男子たちがそんな風に話してることなんて、もちろん私の耳に届いているはずもなく。

遠目に蒼永の姿を見ては、一人でときめいていた。
やっぱり眠そうにしてるところがかわいい。
欠伸してるところがめっちゃかわいい。


「…咲玖、金閣が泣いてるぞ?」
「九竜くんにばっか見惚れすぎ〜」
「き、金閣寺もちゃんと見てるよっ」


なんて言ったけど、すれ違い様にさりげなく指が触れて、もうそれだけでキュンキュンしちゃって。

本当に私ってダメダメかもって思ったけど、嬉しいものはどうしようもない。

とにかく二泊三日の修学旅行は、ハッピーな気持ちで幕が閉じたのでした。


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