クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


「九竜くんのママ、若くない!?めっちゃ美人じゃん!」
「えへへ〜、そうなんだ〜」


何故か咲玖が嬉しそうにしている。

とりあえずテキトーに空いてる部屋にみんなを案内した。
じいちゃんは昔から色んな人と交流があり、昔からよく人が出入りするし、弟子たちを泊まらせたりとかもするので、部屋はものすごく余ってる。


「すごいな…こんなに本格的な日本家屋の家、初めてだ…!」


廊下を歩いている途中、意外にも住江が興奮していた。


「庭もすごい!後で写真撮らせてもらえないかな!?」

「いいよ」


教室での住江は、いつも一人で読書してて特に誰とも話そうとはしない。
球技大会では一緒に2Bに振り分けられたけど、種目が違うから話す機会がなく。

こんな風に笑ったりするんだな。


「ありがとう!」

「緋色くんって、和物が好きなの?」


咲玖が尋ねる。


「うん。うち、呉服屋なんだ」

「へー!」

「昔から着物とか和のものに触れてたから、こういう日本家屋もすごく好きで…」

「そうなんだね!」

「でも、着物ってなかなか売れないんだよね…」

「…住江の家って、もしかして呉服のすみえ?」

「そうだよ」

「ああ、じゃあうちの道場で使ってる道着発注してるところだ」


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