愛が芽生える刻 ~リラの花のおまじない~
「まぁっ。」
まず声をあげたのはジゼルだ。
「なんて素敵な報告でしょう。私はもちろん大賛成です。ソフィア、本当におめでとう。」
「王妃様、ありがとうございます。」
王妃から直接祝いの言葉を贈られて、ジゼルは恐縮しきりだ。

「でもシュトラウス公爵殿が結婚されるとなると、数多の令嬢たちから悲鳴が聞こえてきそうね。陛下もそうお思いになりませんか?」
「ソフィア嬢のことはじぃも孫娘のようにかわいがっていたし、その2人が結婚となると大喜びだろう。もちろん私も大いに祝福する。伴侶を得て、より一層仕事に邁進してくれることを期待している。」
「ありがとうございます。」

そうなることは分かっていたが、
ユリウスとジゼルという国王夫妻が祝福してくれたことに
エルマーは安堵した。
この結婚はもう誰も異議を唱えることはできない。
ソフィアの気持ちも幾分安らかになるだろう。

「次期ファーレンハイト辺境伯の次は、シュトラウス公爵の結婚だなんて、嬉しい報告が続くわね。」
「招待状は早めに送ってくれ。」
「承知しました。」
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