さくらの記憶
第七章 4月30日
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(あれから5年も経ったなんて、信じられない)

さくらは、当時のことを懐かしく思い出しながら、玄関を出て桜の木に向かう。

「こんにちは。尊さん、はなさん」

そう言って、両手を幹に当てて目を閉じる。

(覚えていますか?私のこと)

心の中で語りかけると、やがて二人が微笑みながら現れた。

『ありがとう、あの時私達を守ってくれて。本当にありがとう』

懐かしい二人の姿に、さくらも思わず笑顔になる。

そしてふと思い出して聞いてみた。

(私は今回もお二人に呼ばれたの?また何かが起きるってことですか?)

すると二人は、少し困ったようにうつむく。

『それはまだ分からない。でもどうか、気をつけて』

そう言うと、もう一度微笑んでから二人は姿を消した。
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