君にありがとう【相馬】





「なぁ、咲」

「ん?どうし……」

「チュッ」



 俺は、愛してやまない彼女の唇を奪った。

 触れるギリギリだったけど、世界で1番、甘いキスなのは分かる。

 その証拠に、咲は顔がとてつもなく真っ赤になっていた。

 こいつにとっては、破壊力がすごいらしい。

 慌てて離れて、目を何度も瞬かせた。



「え……あ、はい?」



 あまりの混乱様に、思わず吹き出した。



「わ、笑うところある!?」

「いや、つい……な。面白くて、ククッ」



 『もう!』っと頬を膨らませる咲が、とても可愛いかった。

 それより、『これ』を渡してみようかな。

 少し心配だが、きっと大丈夫。

 そんな気がした。



「なぁ、咲。話があるんだ」




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