超ポジティブな委員長の桂木くん (短)
私と委員長









「だから中学校で会えた時は驚きましたよ。長い髪もそのままでしたし、何より笑った顔に面影があった。だけど、一花さんは入学後すぐに登校しなくなった。その理由が気になって……」

「気になって?」


正面に座る桂木くんの顔を覗きこむ。すると、なぜか桂木くんの顔は真っ赤になっていた。そして、どこか気まずそうに、私から視線を逸らしている。


「あの日は、僕が助けてもらいましたから。今度は僕がお助けマンになって、あなたを救いたいと……そう思ったのですよ」


言いながら、桂木くんはポケットから一枚の紙を出す。何回か折りたたまれた、小さな紙。掌に簡単に乗る紙を受け取り、丁寧に開けてみた。

すると、そこに書かれていたのは――



『 陽乃一花さんの笑顔が見たい

 あの日キミから笑顔を貰った麗しき者より 』



「……」

「……」

「この”麗しき者”ってさ、もしかしなくても、」
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