超ポジティブな委員長の桂木くん (短)
「僕です」

「(やっぱり!?)」


え、じゃあ何?

もしかして桂木くん、最初から私を助けるために、目安箱を置いて、そして自分自身で投書したの?

私に恩返しをするため?自分がお助けマンになるため?


「……っぷ!」

「そこ笑うところですか?泣くだろうと思ってBGMにクラシックの曲を用意していたんですが……」

「必要ないない!」


だって、おかしいじゃん。あんな小学生の頃の事を、ずっと律儀に守ってくれてるなんてさ。

変でしょ、絶対。面白いでしょ。


「はは!桂木くん、すごすぎる!」

「これ、感動話じゃないんですか?さすがの僕もちょっと心がくすんできましたよ」

「はは……っ!」


本当、桂木くん。すごすぎる。

私が「お助けマンになってよ」って言っただけなのに、逆境から自己肯定感ヨイショ系男子になったんでしょ?それ、すごすぎるよ。皆がみんな、出来ることじゃないよ。


「桂木くん、今まで侮辱し続けてきてごめん」
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