推しがいるのはナイショです!
「おはよう、高塚さん。今日、当番だったでしょう?」
「すみませぇん」
「次の当番の時はちゃんと来てね」
「はあい、気をつけまあす」
 注意しても、いつも通りの答えが返ってきただけだった。おそらく本人は気にもしていないだろう。

 その高塚さんは、そそくさと一人分のコーヒーを入れるとお盆にのせる。
「おはようございまあす、主任」
 見れば、ちょうど主任が来たところだった。
「おはよう、満里奈ちゃん。今日も気が利くね」
「そんなあ。当然のことですよぅ」
「満里奈ちゃんみたいな若い子に入れてもらうコーヒーはうまいなあ。ははは」

「今朝もでれでれしちゃって」
 二人の様子を見ていた留美が、げんなりして言った。
「いい年して、娘みたいな社員に鼻の下のばしてみっともないったら」
 不機嫌な留美にコメントは控えた。

 仕事ぶりはともかく、見た目はモデルのようにかわいいしスタイルもいい。彼女が入った時は、男性社員が色めき立ったものだ。
 眼鏡にひっつめ髪の私とは、そりゃ比べ物にならないよね。
< 23 / 75 >

この作品をシェア

pagetop