転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ～一途な恋の音色～

５

お屋敷にお嬢様方の悲鳴が響いて驚いたあと、麗しの執事達のところに戻った。

「王子様がお姫様にキスをするとは。流石ルカ様」

「……」

「とても様になっていたよね！格好良かった！！しかも、長く見つめ合っちゃってさぁ！ルカ様一体どうするつもり！？って僕、ちょっとドキドキしちゃったよ。何も言わなかったってことは、あの箱の中の紙、そんなに言えない言葉が書いてあったの？」

「……」

ノア様とヘンリー様にからかわれ、僕はメニューを持つ手をプルプルと震わせる。

「おふたり共、お仕事をしてください」

ティーセットを乗せたワゴンを押す手を止めて、ジェイク様がふたりを注意する。

「ジェイク様だって見てたでしょ？」

「フフフッ。その辺にしておいてあげて。ルカ、お見送りに行くよ」

ジェイク様とルイが助けてくれた！

「お嬢様、そろそろパーティーのお時間でございます」

お屋敷(お店)は時間制なので、時間が終了することを告げる。

「お菓子も紅茶も本格的でとても美味しかったし、楽しい時間が過ごせましたわ」

「ええ、本当に。このようなお店があったなんて！」

「私、また予約をいたしましたわ！」

気に入っていただけたようだね。
真璃愛とフラン様の目的も達成できたかな？

「行ってらっしゃいませ、お嬢様」

ルイと一緒にニコリと微笑みながらお見送りをしてドアを閉めた。

「それで？何て書いてあったの？」

「ルイまで！！」

とてもあの内容は言えないよ！
余計にからかわれちゃう！！