転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ～一途な恋の音色～

３

王都の大きな公園が見えてきた！
普段は屋敷からこの公園まで、こんなに遠く感じないのに！！

「はぁ……！あと、少しだ！！」

公園の手前の通りで、地面に膝をついて胸を押さえながら俯いている男性が視界に入った！

「えっ！？」

僕はその男性の元へと駆け寄り、どうしたのか聞いた。

「大丈夫ですか！？ どうされましたか！？」

苦しそうな顔をしていたが、少し目を開いて僕を見た。

「あ、君……。すまないが近くの病院まで……連れて行ってくれないか……。持病の発作が……ッ！！」

また胸を押さえて苦しそうな顔をした！
周りには誰もおらず、この男性ひとりのようだ。

「分かりました！」

「……すまない」

男性を背負い病院へと急ぎながら歩く。
公園から離れてしまうが、男性をこのままにしておけない。

「うぅ……」

苦しそうな男性のうめき声がする。

「病院は近いですから！あと少しですからね！」

男性に声を掛けて急ぐ。

そして……クレア！！
どうか、まだ王都にいてくれ！！

すると、馬車の音と共に僕を呼ぶ声がした！

「ルカ様！！やっと馬車が動かせました！しかし、どうされましたか！？クレア様は……？」

「チャーリー！この先の病院までお願い！！」

僕は御者のチャーリーに説明して、男性と一緒に馬車に乗り込む。

「……ルカ様！かしこまりました！」

チャーリーは何か言いたそうな顔をしながらも病院まで馬車を走らせてくれた。