転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
告白

「クレア……良かった!まだ王都にいてくれて…」

ホッとして腕の中にいるクレアを確かめるように強く抱きしめた。

「ルカッ!離して!!」

でもクレアは僕の腕の中から離れようとする。

「話を聞いて、クレア!お願いだ」

徐々にクレアの力が緩まってきた。

「……ルカ、どうして?今は避暑地の方にいるんじゃなかったの?」

クレアは僕の胸に額をつけたままで、僕を見ようとしない。

「……君がいなくなると思って、急いで戻ったんだ」

「私が?」

「クレア……顔を見せて」

僕はクレアの頬に手を添えて、クレアを見つめる。

「良かった。間に合って…本当に」

「ルカ…」

困惑した表情で僕を見るクレア。

「ルカの噂が……」

僕とあのご令嬢の噂を聞いたのだろうか?

「放課後に会っていたあの人とルカは……婚約するんでしょ…?」

瞳を悲しそうに細めて僕を見る。

「クレア、それは違うんだ!そして、聞いてほしい…」

もう遅いかもしれないけど。

「え?」

僕はクレアを見つめて、やっとこの想いを言葉にする。

「好きだ」

クレアの瞳が大きく見開いた。

「クレアが好きだ」

「……」

「出逢った時から何年もずっと、ずっと君だけが好きだ!」

「……ルカ」

クレアの瞳から涙が零れた。
僕はクレアの頬に添えていた手で涙を拭う。

「勇気がなくて今まで言えなかったけど、僕が大切に想っている人は君なんだ」

「……ッ…ルカ…」

クレアの瞳から涙が次々と流れる。

君が愛しくて堪らない。
一度言葉にすると、あんなに言えなかったのが嘘のようだ。

「大好きだよ」

僕の腕の中に包み込んでしまえる小さな君。
このままずっと腕の中に…。

「僕と一緒にいてほしい……」

君の恋人として僕を選んで。

「クレア……」

すると、クレアが僕の胸に頬をつけて、僕の背中にそっと手をまわしてくれた。

「嬉しい…私もよ」

「ッ!!」

とても小さな声だったけど、確かに聞こえた!
僕は抱きしめる腕を緩めてクレアの顔を見る。

頬を赤く染めた愛しい君が言ってくれた。

「ルカが好きよ」

「……クレア」

僕も涙が零れ、またクレアを抱きしめた。



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