転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
とりあえず皆でルイの部屋に集まった。

「えーっと、本当にアスター先生なんですか?」

確かめられずにいられない。

「ああ」

「本当よ」

「本人よ」

アスター先生とクレアとシェイラが答える。
……そっか、昔からの知り合いなら分かってるはずか。

「それで、まず!何でこんな騙すようなことをしたんですか!?」

「お前らが何年もモタモタしてるからだろーが!!最初の頃はかわいいじゃねーかなんて手紙読んで思ってたけどよ、いい加減ウザったいんだよ!!変に勘ぐって遠回りしてたんだろ?王都来て見てりゃ両思いなの丸分かりなのに!」

「…………」

僕とクレアは顔が赤くなった。
僕達以外の人達はプルプルと笑いを堪えているようにも見える…。

「俺の芝居だって大したもんだっただろ?クレアに執着するロリコン教師って思っただろ?琉翔の反応が面白くてつい何度も見ちゃったぜ」

「だから何度も目が合ってたんですね!?」

「あと手紙にもアドバイス書いてあっただろ?実践したのかよ!?してねーだろ!?クレア」

「だ、だって!あんなことできなぃ……」

「どんなことを書いてたんですか!だから手紙読むたびに顔が赤くなってたんですね!?」

赤くなる意味が違うよ!!

「まぁ、琉翔の前で手紙を読めっていうアドバイスはできたみたいだな。嫉妬しただろ?琉翔?」

「……しましたよ!!でもお陰で余計に遠回りしましたよ!!」

「はぁ?何でだよ!」

「それはっ!……あとでお話します」

「は?そうかよ」

「あと、あなたの変貌ぶりは何なんですか!?服装も口調も!!」

「今までは画家レオ・アスター紳士バージョンだ。あとは、おまえたちを騙す為だ」

「はぁ?」

「フッ。それはあとで説明する」

お互いにここでは言えない話があるようだ。

「それに!芝居についてはルイ、真璃愛、ヘンリー様もどうして協力したの!?」

「ごめん、ルカ。思い詰めさせちゃったから反省はしてるよ。でもふたりの為にはこのくらいは必要だと思ってさ」

「そうよ…琉翔。皆でふたりに協力をしたかったのよ」

「うん。僕もだよ」

「皆……」

そんなに僕とクレアのことを考えてくれてたんだね。

「おまえらノリノリでやってたじゃねーかよ」

「え?」

そういえば……迫真の演技だったよね。

「で?あとは?」

「婚約と留学についてです」

「ああ、婚約はおまえに決心させる為の嘘だ。何を考えてたか知らないが、クレアが好きならどんな障害があろうともハッキリとしてもらいたかった」

「……はい」

「留学は本当だ」

「え……」

「クレアの才能を伸ばしたいと思っている」


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