転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~

いつも通りの時間に食事の準備が整っていた!
本当だったら今日はまだ4人分だったのはずなのに。
流石侯爵家で働く人達のプロの仕事はすごい!

予定狂わせて本当にごめんなさい。
夕方に到着したからあまり時間もなかったし、準備が大変だったよね…。
でも美味しく作ってくれてありがとう。
クレアとシェイラと真璃愛の好きなものも用意してくれてる!
僕は執事のサニー、メイドのポーラ達、料理人達を見てニコリと微笑むと、皆も微笑み返してくれた。

にこやかに食事も進み、クレアの留学の話になった。

「クレアの絵画や本を見る目はジョージ様譲りで確かなものです。隣国は『芸術の大都市』とも言われています。私も隣国での長期の仕事が入りましたので、近くにいることもできます。この機会にあちらの芸術学校で学んでみてはどうかと思うのです」

アスター先生の説明に皆がなるほどと納得している。
……そうだったのか。
アスター先生はクレアのことをよく見ているんだな。
確かにクレアは僕が面白いと思う本を勧めてくれるし、絵画のことも詳しい。勉強熱心だ。
クレアの為になり、好きなことが今後に繋がるなら応援したい。でも隣国か…。

「あの学校なら私も留学していたからよく知っているし、私達とも長い付き合いのあるレオ様が近くにいてくれるなら心強い。クレアはどうしたいんだ?」

アリストロ伯爵も留学されていたのか。
やっぱり親子だな。

「私は……もう少し考えてみます」

「そうか。ゆっくり考えなさい」

「はい」

不安そうな顔のクレアとパチリと目が合う。
僕は安心させるように微笑んだ。




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