転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ～一途な恋の音色～

屋敷に戻るとクレアが起きてきていた。
真っ白の涼しげなサマードレスがとても似合っている。

「クレア！おはよう」

「おはよう、ルカ」

昨日のおやすみの挨拶を思い出して、ふたり共に顔が赤くなって固まった。
ドレス似合ってるねと言いたいのに、なんだかすごく意識しちゃって言葉が出てこない！

「今日は別行動にしよう。ルカはクレアとデートしてきなよ」

ルイがクスリと笑いながら僕の肩をポンと叩いて階段を登っていった。

「じゃ、じゃあ、あとでいつもの湖に出掛けようか、クレア」

「ええ」

まだ赤い顔で照れながら会話をする僕達。
そして、やっと伝える。

「ドレス、とても似合ってるね」

クレアが恥ずかしそうに、でも嬉しそうに微笑む。
付き合いたての初々しくて甘い空気が広がっていた。


そんなふたりを階段の上から見てしまったヘンリー様。

「ルイ様…クレア様はもちろんなんだけどさ。ルカ様が可愛いすぎるッ！！僕達と本当に同じ歳なの？ 目がッ！心がッ！やられる！」

手のひらで目と胸を押さえるヘンリー様。

「フフッ！僕の弟は本当に可愛いよねぇ」

「それとも僕達がもうピュアじゃないだけ？」

ハァとため息をついた。

「え？それはヘンリー様だけでしょ？一緒にしないでよ」

「ええ！？ そんなわけないでしょ？」

「僕はあのルカと双子なんだよ。ピュアな心を持ってるに決まってるでしょ。ヘンリー様は爽やか好青年の仮面を被ったケダモノだってことが分かったよ」

「いやいやいや、ルイ様に言われたくないんだけど！」

ピュアじゃない男子の会話はしばらく続いた。