転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
ピアノと僕達の歌声がホールに響く。
僕達は音に合わせて手足の先まで伸びやかに動かし、そして歌詞に合う感情を表情に乗せて歌う。
笑顔で、切ない顔で…。

『ツインズ』らしく左右対象の動きが多い。
ターンしながら琉生と腕と腕を斜めに交差する!
目を合わせなくてもできる動きだ。
裾の長いジャケットも動きに合わせて舞い、足さばきも華麗に!

発表時間内で歌うのは2曲、そのあいだにダンスメインの時間も入れた。
僕達が転宙をすると客席からは驚きの声も上がった。

楽しい時間はあっという間だ。
最後も格好良くキメてみせる!!

バンッ!!という音と共に最後のポーズをとる。

シーンとする会場。

……やっぱりこの世界では受け入れてもらえないかな。
すると、拍手と歓声がホールに鳴り響いた!!

『キャアアアーーー!!!』
『素敵ーーー!!これが『クスフォードツインズ』よ!!』
『琉生君!琉翔君!格好良かったよーー!!』
『ルイ様とルカ様のダンスと歌!?』
『麗しいおふたりのこのようなお姿が……!!』
『普段クールなルイ様のあの笑顔!!』
『あのお衣装もとてもお似合いですわ!』
『ピアノを弾いていらっしゃった方も素敵でしたわ!』

僕とルイは目を合わせて笑顔になった!
『ツインズ』を受け入れてもらえた!良かった!!

「ありがとうございました!」

ホッして挨拶をしたあと、ステージから去ろうとすると客席から声が掛かった。

『アンコール!!』

「え?」

僕達の足が止まる。
次第に歓声の波は大きくなり、会場から拍手も沸き起こった!

「琉生、琉翔!アンコールだとよ!」

「澪音。でも僕達の持ち時間はもう終わり…」

『琉翔くんー!もっと歌って!』
『ツインズ!!』
『ルイ様ー!ルカ様ー!』

舞台袖にいたジェイク様が音楽祭実行委員の人と話をしている。
音楽祭実行委員の許可が降りたのか、ジェイク様がステージにいる僕達を見て頷いた。
澪音がニヤリと笑いピアノをまた弾き始める。

すると会場から『ワァッ!』と歓声がまた沸き起こった!




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