転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
復活!クスフォードツインズ!

ドキドキするけど緊張はしない。
たくさんの人の前に立つ、この感覚は前世の記憶を思い出す前からも心が覚えていた。
ふたりでコツコツとステージの中央へと進む。

僕達はいつもより煌びやかな衣装を纏っている。
上下黒で統一した衣装だけど、裾の長いジャケットには金色の刺繍、ライトにキラリと反射するように小さな石を縫い込んである。

ステージの中央に立ち止まりホールを見渡すと、客席がざわめいた。
音楽祭で僕達が演奏するのはピアノではないのか?と。

そのピアノには金髪の黒い服装の男が座っている。
澪音がステージに出た時も『あれは誰だ?』とざわめきが起こった。

僕達がこれから何をするのか分からない人がほとんどだ。
でも応援してくれている人達もいるね。
クラスの皆は応援うちわを持ってくれている。

この世界で僕達のパフォーマンスをどう受け取ってもらえるかは分からないけど、全力を尽くす!

ステージ上でマイクを持って立ち、スポットライトを浴びる。

久しぶりのこの感覚、ワクワクしてきた!
今、僕達は『クスフォードツインズ』!
琉生と琉翔だ!!

歌う前のいつものポーズをする。
琉生が左手を、僕が右手を胸の前に当てて、反対側の腕は斜め下に広げる。

『キター!! 『ツインズ』の王子様ポーズ!!』

フラン様とメリアーナ様とリエッタ様、そしてお友達のご令嬢も応援うちわを振ってくれている!

澪音が『ツインズ』のデビュー曲を弾き始めた!
僕達もピアノに合わせて動き出してステップを踏み、歌い始める。




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