転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~

僕達は晴れて婚約者となり、クレアの薬指には指輪が輝いている。
もちろん僕の薬指にも。
そんな特別な印を目にするたびに僕は微笑んでしまう。

僕の勘違いだったけど恋人がいると思っていたクレアに長く片想いをして、その想いが実り婚約までしたなんて。

僕はチラリと真璃愛と楽しそうに話をしているクレアを見る。
今日も可愛い僕の彼女…じゃなくて、婚約者!


「……ルカ様って本当に癒されるよね。また指輪を見てニコニコしているよ。あの指輪も喜んでいると思うよ」

「僕もしているけど?」

「ルイ様の微笑みはまた違うんだよね。同じ顔なのになぜ?」

「ヘンリー様、目がおかしくなっていない?同じに決まってるでしょ?」

「いや、なっていないから。それと、ピュアなルカ様に変なこと言わないでよね!婚約者になったからって、そうそう何が変わるわけでもないからね」

「分かってるよ。でも立場を手に入れるのは必要でしょ?いろいろとね。逃がすつもりはないんだ」

指輪をした手を見せつけるように頬杖をつきニコリと微笑むルイ。

「ほら!違うんだよ!微笑みが!」

「楽しそうですね」

廊下側の窓の近くの席に座っているふたりに、廊下側の窓から顔を覗かせた紳士バージョンの澪音。

「あっ!アスター先生!先生も分かりますよね?ルイ様とルカ様の微笑みが違うこと!」

「ああー。クッ!そりゃ違うな。まぁ、いいコンビなんじゃねぇか?」

小声で普段の喋り方で笑いながら言う澪音。

「今日で学園での仕事は終わりでしょ?隣国に行く準備はできたわけ?」

「おまえ最近俺に冷たいんだよなー。シェイラが隣国に行くのは俺のせいじゃねぇだろ?興味を持たせたのはアリストロ伯爵が取り寄せた植物だろー?」

「まぁ、愛する人が急に遠い隣国に行くとなると気持ちは分かりますよ」

「変な男が近寄らないように俺が見ておいてやるからさ。おまえらだって隣国に来るだろ?ルカのお陰で行きやすくなったしな」

『あっ!アスター先生よ!』
『きゃあ!今日も素敵ね!』

澪音を見つけたご令嬢達が近づいて来た。

「おっと。……では失礼いたしますね」

また紳士バージョン、レオ・アスターとして優雅に歩き出した。




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