転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
勇気を出して

「ルカ?」

クレアに声を掛けられてハッとした。
僕はクレアとクスフォード家の図書室にいる。
読書が好きなクレアに本を紹介する為だ。

「あ、いや、ふたりが見えるなと思ってね」

チラリと窓の外に目を向け、ルイとシェイラがいる花と緑に囲まれたガゼボを見る。
たまに手を繋いだりして微笑み合っている。
さらに仲良くなっているなぁ。

「やっぱりルカもお姉様のことが……」

本を腕に抱えていたクレアがポツリと呟いた。

「え? 何?」

よく聞こえなかった。

「……ううん。なんでもないわ。お姉様とルイは本当に仲がいいわよね」

今日はなんだか元気がないクレア。
どうしたんだろう。

「何かあったの?」

「ダンスのレッスンが難しくて…。先生に注意されてばかりなの。やっぱりダンスは苦手だわ」

しゅんと落ち込んでるクレア。
そんな君も可愛いなんて…。
なんとか力になりたいな。

「じゃあ、僕と練習しない?」

勇気を出して言ってみた!

「え?」

「ね!行こう!」

いつもだったらドキドキしてうまくできないけど、クレアを元気にしたい!
それに僕だって行動力のあるルイと双子なんだ!
手紙の送り主には負けたくない!
レッスン室へとクレアを連れて行く。


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