転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
そして、芸能界でのお仕事も一緒だった。
真璃愛は歌がとても上手で歌手として活躍していた。
テレビ局でも僕達の楽屋によく来ていたんだよね。
僕がマカロン食べてた時やゲームに熱中してた時、ソファーで寝てた時の写真を勝手に自分のSNS用に撮ってたり、僕のお弁当を勝手に食べてたり…。
写真は僕達の素の姿が見れると子猫ちゃん達には好評だったらしいけど。

「いつ来るつもりなんだろ…?」

「さあな。ま、すぐに来るだろ。前世の記憶を思い出して、僕達の話を聞いて、真璃愛も気づいたんだろうな」

「なるほど…」

僕の平穏な日常がまた邪魔をされちゃうのかな。
ため息をついて、遠くを見た。

「今世ではすぐに家に来れるわけでも、仕事が同じわけでもないからそんなに接点はないと思うぞ」

「そっか。そうだよね!」

「あー、でもカルセオラ伯爵家か…」

「え?」

「いや、別に……」

「じゃあ、僕は自分の部屋に行くね!」

前世程、真璃愛に邪魔はされないはずだと安心して、僕は入浴を済ませてから眠る準備をする。
ベッドに横になり、また前世を思い出す。
幼馴染みだし会いたくないわけじゃないんだけど…。
何かと強引過ぎるんだよね。

僕のプライベートの写真をアップすることで子猫ちゃん達にも受け入れられてた真璃愛だけど、最初の頃は『何でこんな写真が撮れるの!?』と僕との熱愛説が出て大変だったなぁ。
琉生は真璃愛に写真撮られるの上手くかわしてたけど。
幼馴染みだからって説明して納得してもらうのに時間かかったし、真璃愛の男性ファンの人にも睨まれちゃったしな。

冬の寒さと前世を思い出してブルリと震えた。

「うう、寝よう…」

僕は目を閉じて眠りについた。


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