転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
元幼馴染み

「え?僕達にお客様ですか?」

夕食後に執事のマシューからお母様が呼んでいると聞いて、ルイとお母様の執務室へ来た。

「そうよ。お友達だそうだけれど、そうなの?」

お母様からの話だと『僕達のとても昔からの知り合いだからすぐに会いたい』という内容の手紙だったらしい。
とても?昔からの??なんか変な言い方。
しかも僕達は今10歳なんだけど…。

「カルセオラ伯爵のお嬢様よ。あなた達マリアンヌ様とお知り合いだったのね」

カルセオラ…?誰?

「いや、知らな……」
「お母様!分かりました。僕達はいつでも大丈夫ですので」

え!? ルイ?
知らない人なのに!?

「そうなのね。では、そのようにお返事しておきますね」

「ありがとうございます」

僕は不思議に思いつつ、ルイの部屋へと行った。

「ルイの知り合いなの?」

「……『マリアンヌ』様だぞ。僕達や玲お兄ちゃん、メリアーナ様はこの世界に転生しても以前と同じか似た名前だろ?」

「えっ!? 転生者!? 『マリアンヌ』様だから…。まりあ?」

……いる!!
思いあたる人がひとり。

「えと、嘘だよね!?」

「いや、アイツだろ。この強引さも同じだよ」

「何でいつでもいいって言っちゃったの?僕はちょっと……」

「断ったとしても諦めないだろ」

「……そうだけどさ。ルイだけ会いなよ」

僕は前世の頃から苦手なんだよ。

前世の頃の幼馴染みである『真璃愛』。
僕達の家の近くに住んでいて同い年だった。
小さな頃から一緒に遊んだりしてたんだけど、琉生とは普通に話をするくせに、なぜか僕にはやけに絡んできたり、邪魔をしきてたまりあ。
僕をからかって楽しいらしい。
だから僕は昔から苦手だった。
もちろん玲お兄ちゃんとも幼馴染みで、真璃愛は玲お兄ちゃんが初恋の人だ。


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