転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~

コンコン!

音楽室のドアがノックされた。
アリストロ家のクレア付きのメイドのモネだ。

「どうされましたか?」

やっと離れてくれた真璃愛から距離を取り、モネの所へ行く。

「クレアお嬢様はこちらには…?」

「え?クレアは来ていないよ」

「ルカ様にお借りした本をお返ししたいと、クスフォード侯爵家に来ていたのですが、はぐれてしまいまして…」

「えっ!」

「音楽室にルカ様がいらっしゃるとお聞きしたので、こちらかと思いましたが…」

チラリと部屋の中を見て、クレアがいないので落胆している。

「そうなんだ。ちょっと他の部屋を見てくるね」

「ありがとうございます。では私はアリストロ家に戻って見てまいります」

僕はクルリと振り向き、音楽室にいるルイとミッシェル先生に目を向ける。

「こちらは大丈夫ですので、行ってきてください」

ミッシェル先生とルイが頷いてくれた。

「すみません。今日もレッスンありがとうございました」

お辞儀をしてから音楽室を出て、クレアが行きそうな場所を探し始めた。


「クレア様って琉翔の何?」

真璃愛はルイをチラリと見て聞いた。

「あれ?その噂は聞いてないの?」

「……本当なの?」

「大切な幼馴染みだよ」

「じゃあ、私と一緒じゃない」

「……」

その様子を見て楽譜を手にクスリと笑うミッシェルだった。


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