転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~

5.クレアside

頭が真っ白になって、気づくとクスフォード家にあるレッスン室の鏡の近くにある椅子に座っていた。
ルカに借りた本を抱きしめたまま。

「あの人は誰…?」

ルカに抱きついていた綺麗な人。
うしろ姿しか見えなかったけど、あれはルカのはず。
…いや、ルイだったかもしれないじゃない!!

頭を振って否定する。
「ルカだったわ…」

とても仲が良さそうだったし、『マリア』と親しげに呼んでいたわ。
私の知らない人を。
そんなルカも知らない人みたいだった。

ルカの近くにいる女の子は私だと思っていたのに…。

「どうしよう…」

とても綺麗な歌声が聞こえていた。
クスフォード家は代々音楽家の家系だ。
楽器や歌ができる人じゃないとやっぱり…。

ルカの好きな人?
いや、でもルカは……。


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