転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
「皆、今日は来てくれてありがとう。メニューを見て気になるものを教えてね」

メリアーナ様!今日も和服風ドレスが似合う!

「……ところで、何でこの組み合わせで座るの?」

僕は隣にいる真璃愛をジロリと睨む。

『クレア・僕・真璃愛』
『シェイラ・ルイ』

皆同じテーブルで、僕の隣にクレアはいい。
でも真璃愛も僕の隣に座ったうえに、妙に近い。
向かいのソファーにはシェイラとルイだ。

「いいじゃない!別に!ねぇ、クレア様!」

「は、はい」

クレアに同意を求める真璃愛。
笑ってるけど目が怖い!
真璃愛の勢いが強くてクレアがビクビクしてるよ。

「ところでさぁ、琉翔!このお店の内装、お洒落だけどすっごく『和』じゃない?なんか、撮影のセットみたい!」

「あー!分かる!」

「だよねー!」

「僕もちょっと思ってたんだよね!今にもあの辺りから侍とかが『御免!』とか言って入って来そうじゃない?ルイもそうおも……」

ハッと気づくと目の前にいるルイが僕と真璃愛を冷たい目で見ている。
やってしまった!!
クレアとシェイラの分からない話をした!

「あ、あー、デザート!何にする?クレア!」

クレアを見るとメニューを見て首を傾げている。

「クレア、何か分からないものがある?」

「『あんみつ』ってどういうのかな?」

「あー、それは…何て言えばいいかな?寒天がツルツルで?あんこが甘くて?」

いざ、説明するとなると難しいな。

「美味しいわよ」

真璃愛が僕にグイッと近づいて、クレアを見ながら説明というか、味の感想を伝える。

「え…」

「クリームあんみつだから甘くて美味しいわよ」

目が怖いんだってば!!
何でそんなに睨むように見てるの!?

「ねー!琉翔!」

「美味しいけど、もうちょっと説明が……」

「これにします!」

クレアが俯きながらちょっと大きな声を出した。
普段大人しいから少し驚く。

「いいの?」

コクンと頷くクレア。
じゃあ僕はクレアが食べられなかった時の為に、クレアでも食べられそうなものにしよう。
あ、抹茶とバニラのアイスクリーム!
抹茶だけだと苦くて無理かもしれないけど、バニラと一緒なら大丈夫じゃないかな?
そこで、ふと思った。

「え、抹茶…?」

「思った!!抹茶なんてどうやって手に入れたの!?って思うよね!!流石玲お兄ちゃんだよね!!」

「ほんとほんと!!久しぶりだよー!抹茶なんて!ちょっと玲お兄ちゃんに聞いてみようよ!僕大好きなん…だ……」

またルイが僕と真璃愛を睨んでるー!!
やってしまった!!

「……」

真璃愛がいると調子狂うな。
いつも以上に前世の琉翔になってしまう。

「バカだな本当に…」

ルイがポツリと呟いた。


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