転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~

クスフォード侯爵家のルカに戻るんだ!!
貴族令息のルカ!!
もう真璃愛に引っ張られないぞ!

「皆、お待たせしました!」

玲お兄ちゃんとメリアーナ様がたくさんテーブルに持ってきてくれた!
ズラリと並べられた『和』のデザート達!
美味しそう!

「クレア、もし食べられそうになかったら僕のと交換しよう」

「ありがとう」

少しホッとした顔をしたクレア。
初めて食べるんだもんね。
でも美味しいから!
僕は安心してねとニコリと微笑んだ。

そっと口に入れたあと、目を見開いたクレア。

「美味しい…」

「良かった!」

僕とクレアの周りにほんわかした空気が広がる。

「僕のも食べてみる?どうぞ?」

「え…」

クレアの頬が赤くなって、可愛いなぁなんて見てたらグイッと腕を引っ張られた!

「琉翔!これも美味しいわよ!」

「ングッ!」

真璃愛にスプーンを口に差し込まれた!!

「ん?」

抹茶のババロア!!
口に広がる苦味と甘味!
これこれ!久しぶりー!

「うまっ!」

「ね!ヤバいよね!!」

「うん!この味だよー!!ヤバッ!!玲お兄ちゃん天才じゃない!?」

「ねぇねぇ!これもさー、超懐かしくない?芋羊羮だって!」

「ええ!? 芋羊羮!? どれど…れ…」

メニューを真璃愛と覗きこもうとしてピタリと止まる。
またやってしまった!どうして!?
僕はサーッと青くなる。

「ル、ルイ…」

助けてー!!
泣きそうな顔でルイを見ると、ため息をついて立ち上がり、真璃愛を連れて行ってくれた。

「マリアンヌ様、ちょっとこちらへ」

「え!? ちょっと、琉生!?」

マリアンヌ様!?
あ、そっか、この世界じゃマリアンヌだった!
更に青い顔をしてると、ルイだけ戻ってきた。

「マ、マリアンヌ様は?」

「……今さらだけどね。玲お兄ちゃんに相手してもらってるよ。さ、美味しいデザートを食べよう」

微妙な空気の中、僕はアイスを食べ終わる…。
ものすごく冷えてしまった体を暖めるべく、暖かい緑茶もお願いして飲んでいたらマリアンヌが戻ってきた!!

これ以上ボロが出ないように僕は立ち上がる!!

「れ、玲お兄ちゃん!ちょっと話が!」

玲お兄ちゃんとメリアーナ様がいるカウンターに逃げた。


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