転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
『キャア!ルイ様とルカ様よ!』
『学園の制服がお似合いでますます王子様のようですわ……』
『そう!この白い制服を着てエスコートする姿はまさに王子様!』
『お二人が並んでいると本当に絵になりますこと』
『気品溢れる所作で本当に素敵よねぇ!』
『ピアノもとてもお上手ですわよね…。公演会でマリアンヌ様と共演されていましたわ!』
『先日のパーティーでの装いも麗しくて素敵でしたわ!私、倒れてしまいそうでしたもの!!』
『分かりますわー!!』

なんだか前世のアイドルの頃に戻ったみたい?

「行こうか、クレア」

「ええ」

僕を大きな瞳でまっすぐ見つめて頷くクレア。
クレアと並んで歩き、教室へ向かう。
王都の通りでの件以来、クレアとの距離が少し近くなったような気がする。
僕もなるべく目をそらさないようにしている。
もうケンカはしたくない。
でも顔は赤くなってしまう。

本当は僕達の前を歩いているルイとシェイラのように手を繋ぎたいけれど…。

『ご覧になって!今日も麗しのクスフォード侯爵家のおふたりに守られていらっしゃるわ!』
『シェイラ様とクレア様が羨ましい…!』
『先日、道に迷われていたご令嬢を助けていらっしゃるのを見ましたわ!』
『あら!私も転びそうになってしまったときに、手を差し伸べてくださったの!そのあとに『気をつけてね』とおっしゃってくださった笑顔がまた……!!』
『キャアアー!!』

僕達が登校すると注目されるんだけどなんでかな?
クレアを見ている男子生徒もいる。
僕はキッとその男子生徒達を睨みつけ、クレアを見えないように僕で遮る。

すると『キャア!』とまた数名の声が上がった。

『今の鋭い瞳、ご覧になられました!?』
『素敵ー!!』

ルイはひとつ上の学年であるシェイラの教室へ一緒に向かい送って行き、そのあと僕達のクラスへ来ている。
僕達3人は同じクラスだ。

ルイはシェイラを教室へ送り、離れる間際はシェイラにキスをするそうだ。
シェイラは恥ずかしいからやめてといつも言っているが、そんなルイではない。

『あの新入生大胆だな』
『流石ルイ様ね』

と、学園でも噂になっている。

この1年学園でシェイラの側にいられなかった分、ルイの愛が炸裂中だ。
あまりやり過ぎないでね、お兄ちゃん。


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