転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
「やっぱり私の琉翔は今日も可愛いわね!」

真璃愛が割り込んで入ってきた。

「マリアンヌ嬢ごきげんよう」

「皆様、ごきげんよう。私も琉翔と同じクラスが良かったのに!どうして離れちゃったの!?」

オーバー気味なリアクションで悲しみを表現する真璃愛を見て、ヘンリー様がクスクスと笑う。

「本当にルカ様がお気に入りなんだね」

「僕の可愛い弟なんだけどね」

「私の可愛い弟なの!!」

ムッとした真璃愛が僕に反論したら、ノア様が眉を歪め、首を少し傾けて聞き直す。

「どういうこと?しかも隣のクラスなんだからすぐ会えるじゃない。というか、いつも会いに行ってるよね?」

「…玲お兄ちゃんの弟なのに、性格は全然違うわね」

「あのさぁ、前から思ってたんだけど、君達『れいお兄ちゃん』って何なの?僕のお兄様なんだけど」

「私達の『お兄ちゃん』でもあるのよ!昔からの深い絆があるの!」

「はぁ?」

「この学園でも有名なレイ・ストライブ様だよね?」

「またレイお兄様のその話?」

嫌そうな顔をするノア様。

「レイ様とメリアーナ様の恋物語はこの学園でも語り継がれているもんね」

「あの玲お兄ちゃんが積極的に猛アプローチした話ね!箱入り令嬢のメリアーナ様の厳しいお兄様に交渉して学園内だったらデートを許されたんでしょ?」

「だから学園内での目撃者も多くて語り継がれてるんだよね?」

「ふたりの放課後のデートに憧れてるご令嬢がたくさんいたらしいわね」

「あと、レイ様の数々の強気で格好いいアプローチにも憧れる人も男女問わずたくさんいたらしいよね」

真璃愛とヘンリー様は玲お兄ちゃんの話で盛り上がる。

「……僕はもう聞きあきたよ」

「…ほら、ルカに挨拶しに行かないの?」

「もちろん行くわよ!琉翔ー!」

真璃愛はルカとクレアの所に行った。

「じゃあ僕はこれで」

ノア様はチラリと僕を見てから自分の教室へ向かった。

「琉翔ー!おはよう!」

「あっ!真璃愛!」

ルカとクレアの微笑ましいほのぼのタイムがぶち壊されて、クラスの皆が残念そうな顔をする。
そして、真璃愛はルカに絡んで満足してから自分の教室にやっと行った。
ノア様と真璃愛は隣のクラスだ。


「今日も真璃愛は元気だなぁ」

「フフッ。本当にそうね」

「ごめんね、クレア。さっきの問題だけど…」

続きを説明しようとしたら教室の扉が開き、先生とひとりの女子生徒が入ってきた。

「皆、席に着いてください。本日は転校生を紹介します」

先生と転校生の方を見て僕とルイは目を見開いた!

「マナ・フランです。入学式から数日遅れましたが、本日からこのクラスの一員としてよろしくお願いいたします!」

ランニング中に見かけた薄い緑色の髪の女の子!
この学園の生徒で同じクラス!?
僕と目が合い、とても嬉しそうな顔をした。



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