転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
お嬢様達のお茶会

「あっ!琉翔!琉生!」

ルイと教室に入ると真璃愛がいた。
クレアと話をしながら僕を待っていたみたいだ。

「真璃愛、おはよう」

「おはよう!どこに行っていたの?」

「ちょっとね。今日も元気だね、真璃愛は」

「私の可愛い琉翔と会わないと元気は出ないわ!」

「え?どういうこと? クレア、何か変なこと言ってなかった?」

「フフッ。ルカの苦手なことの話を聞いていたわ」

「ええ!?どんな話を聞いたの!?ちょっと真璃愛!!」

毎朝恒例のルカとマリアンヌの挨拶。
クラスの皆も見慣れてきた。

「朝から騒がしいなぁ…」

呆れた顔をしながら真璃愛を見て、スタスタと自分の席に向かおうとするルイ。

「え!?『まりあ』!?」

教室に入ろうとしていたフラン様が僕達を見て驚いている。

「そ、その琉翔くんとの仲の良さ、お姉さん的な構い方、そして、その姫カット!!」

「私のこと?」

「そ、そうです!あなはもしや…歌姫の真璃愛様では…?」

顔の前でうちわを持って、目を見開きとても驚いているフラン様。
え?真璃愛だって分かったの?
僕と話をしていただけなのに!?
今は前世と同じ髪型の真璃愛だけど、顔も髪色も違うのに!?

「そうよ!歌姫とは私!!マリアンヌこと、真璃愛よ!!」

『歌姫』と言われて悪い気はしていないようだ。
胸を張って自己紹介しているけど『真璃愛』でいいの?

「えええ!?真璃愛様もこちらに!?」

「ということは、あなたが?そのうちわ……」

子猫ちゃん騒動の話は聞いていたらしい。

『バーンして』のうちわをまだ手に持っているフラン様。

「は、はい!!そうなんで……」
「ちょっと待って!積もる話はあとでゆっくりしたら?」

ルイはフラン様の言葉を遮り、これ以上教室で騒がないようにした。

「フラン様、真璃愛は隣のクラスにいるからね。あとで行くといいよ」

「琉翔くん!ありがとう!」

ふたりは放課後に話をしようと約束をしていた。




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