聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

彩那ちゃんが危ない目にあって、万が一怪我でもしたら…。



私は、きっと死ぬまで後悔し続けるだろう。



だから、それだけはなんとしてでも避けないといけないんだけど…。



「蓮見先輩、今日も来そうだよね〜。あの人は存在してるだけで目立つからなぁ」



私の席の前にやってきた彩那ちゃんが、紙パックのジュースを飲みながらボヤいた。



うぅ…そうなんだよね…。



私が先輩の告白を断らない限り、どうしても彩那ちゃんと接触する機会が増えてしまう。



でも…もし蓮見先輩が本当に『Radical』のメンバーだとしたら、告白を断った腹いせに何かをされるかもしれないという最悪の事態も考えた。



そうなると、どうすればいいのか本当にわからなくなってくる。



結局、昨日の帰りも紫呉さんには何も話せないままお別れしてしまった。



何か話があるなら明日聞く、の一点張り。



私の体調を心配してくれていたのはとても嬉しい…んだけど、優しさ紫呉さんには話しておかないと後々が怖い。
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